月☆流星忌


 はじめに東日本大震災で被災された方々にこころよりお見舞い申し上げます。

 今日2日は、月☆流星忌(月命日)です。今朝は早めにお墓に参りました。冬が長引いているようで、霊園のアカメガシワの生垣もまだくすんだ色合いです。それより驚いたのは、お墓の花を食い散らかしているヒヨドリの群れです。

 お墓全部が糞だらけ。菊を中心にお花も散らかっています。わが家のお墓も散々です。管理の人に聞いたところ、ここ二、三日、特にひどいということでした。人が霊園からいなくなるとすぐにヒヨドリがきて散らかすのだそうです。管理人の方はお墓全部を綺麗にしなければいけないので大変です。

 さて、今日の月☆命日は、未公開・オリジナル小説「Zephyr」の第1話の2回目をアップしました。川本結城が神社で秋月絣(あきづきかすり)に出遭う場面です。

 結城はそこで初めて、その女性が、恐らくは高校生くらいの少女であることに気付いた。
 夕陽に照らされて茶色に見える黒髪。その毛先にはゆったりとしたウエーブがかかって
いる。飾り気のない緑のセーターとジーンズは、どこか寂しげな瞳を持つ少女の雰囲気に
は、あまり合っていない気がした。
「あの……」
「あ、ごめん、驚かせちゃって。何してたのかなって、思ってさ」
 ぎこちない笑顔で、結城は少女に話しかける。
「……夕焼け、見てたんです……」
 少女は、太陽の方を指さす。結城も改めて、その燃える空を見てみた。
「うん、綺麗だよなあ」
「はい」
 少女はそう言うと、鳥居の方へ歩いて行った。そして、そこにもたれかかる。結城もつ
いて行った。
 西日は、真っ直ぐに神社を照らしていた。今は朱色の恒星が、もうすぐ山の間に隠れよ
うとしている。美しい、それでいてどこか懐かしい風景。結城は、ほうと溜め息をついた。

 まだまだイントロ部分。この先どうなるのでしょうか。

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