名前:天馬流星 投稿日: 2005/01/28(金) 19:46:42 [ p8818JF6 ]
「はあ……はあ……」 息が苦しい。喉の奥が焼けつくように痛む。 強かった。本当に強かった。 目の前に立つ人間が自分を見つめる。 「いい加減、観念したほうがいいわよ?もともと実力の差は歴然としてるんだから」 先制攻撃は効いた。でも、それだけだったのかもしれない。 彼女の言うとおり、世界がひっくり返っても自分と彼女の実力差を埋めることなど出来 ない。 あまりに強力な攻撃ゆえに、服はもうボロボロだった。 床にへたり込み、小悪魔は霊夢を見つめ返す。 幻想郷で最強の人間。それを、下っ端もいいところの自分が勝とうなどと、おこがまし いことだった。 けれど――。 「……しませんよ」 「ん?」 少し動くだけで体中が悲鳴を上げる。けれど、それでも小悪魔は立ち上がった。 「観念なんか、しませんよ」 苦しいけれど、精一杯の強がりを見せて、小悪魔は笑った。 「弱いからって……実力に差があるからって……それに甘んじて、負けを認めたくなんか ありません」 「……」 「ここにいる以上、私の体がある以上……あきらめることなんか出来ないんです!」 わずかに体に残った魔力を絞り出す。どれだけがんばろうとも、これが目の前の巫女に は通用しないだろうと分かっている。 だが、あきらめるわけにはいかないのだ。 「……玉砕覚悟ってわけ?」 「まさか。五体満足で帰らせてもらいますよ」 2人の少女が互いを睨む。その目には、確固たる決意が宿っていた。 絶対にあきらめない。 最後まで――。