小  説

2004年8月25日 奥義発動!!(帯広から利別へ)

2004年8月25日(水) 2日目

朝。ウミネコの声で目を覚ます。なかなか清々しい目覚ましだ。(朝日を撮ろうとしたら、
デジカメのメモリーがやばくなっていた。急きょ取り換え。8Mだけどもつだろう。)
4:34。清々しすぎた。なんぼなんでも早いわ。しかし体は正直なもので、二度寝しよ
うにもできなかった。仕方なくテレビでアテネオリンピックを見た。棒高跳び女子で世界
新記録が出た。すげえ。
7時前にチェックアウト。駅に着いた時点で20℃だった。後で気づいた単線ローカルで
様似へ。

って、何デスカコノ混ミップリハ!
どローカル線のくせに、ものすごい満員だった。その99%が学生。まあ、分かってるけ
どね。もう新学期始まってるんだね、北国の方。ごくろーさん。

急激に気温(と湿度)が上がった。電車は約30分で様似に到着。現在、7:50、早い
早い。さて、えりも岬行きのバスは・・・。
10:15。二時間半待ち。
また、また待つのか。こんな時間じゃ古本屋あっても開いていないし(もちろんない)。
むう、散歩して時間潰すか・・。
しばらくうろついてから駅に戻ると、隣の観光案内所が開いていたので、そこでジャンプ
読みながら時間をつぶす。あとついでに、よくあるノートに落書きしておいた。
そしてようやくバスが来る。途中の方は特に何もなかった。どこかのサイクリング部がい
てやたらバス内が賑やかだったが。

というわけで北海道最南端、えりも岬に到着−。バスの出るのが40分後だから、写真撮
りまくり。写真とってくれるスタッフの人もいた。イカ焼きを食って、さあ、帯広だ。と
思っていたのだが。



 

 

 

 

 



バスがない。
え?ちょっと待って?ここにバスが着いたのって、11:10分だよ?で、11:55に
出るのがあるはずなんだよ?て、ことはつまり・・・。
着いたその足(タイヤ)で行きやがった−!!
バスの分際で定刻より早く出るんじゃねえ−!!
では、次に帯広(へ行くバスにつながる広尾行き)行きが来るのは・・・15:45(し
かもアテにならない)。
四時間待チデスカ・・・。
しかも広尾から帯広までのバスにすぐ乗れるとは限らない。最低でも1時間待ちは見てお
かなければならない。ついでに、俺は宿に行くのにそっから電車使うのだ。超極限的スケ
ジュールだ。
さて、どうしよう。当たり前だが、四時間もこんなところで待ちたくない。しかし、歩い
て行けるほど近くもない。車を使う以外に方法はないのだ。
となれば、答えは1つ。

奥義、ヒッチハイクだ!!!!

ま、奥義というか奥の手というか最後の手段なんだけど。
しかし、今までヒッチハイクなんかやったことがない。女性ならともかく、野郎を乗せて
くれるような人も少ないし。
しかし、これ以外に方法はない。腹をくくれ!俺。

広い駐車場をしばしうろうろして、目ぼしい人を探してみる。カップルとか若者の集団は
NG。年配か、1人がいい。本当はそんな選り好みしている余裕ないんだけど。そして、近
くにいた1人が出発しようとしていたので、訊いてみることにした。

「すいません、これからどちらへ行かれますか?」
「ああ、どっちへ行くつもりなんですか?」
「帯広です」
「あー、逆だあ」
「どの辺までいければいい?」
「あー、じゃあ広尾まで行ければ・・・」

広尾まで行ければバスが増えるからだ。

「ああ、じゃあいいよ」
「本当ですか!!ありがとうございます!!(心の声含む)」

ヒッチハイク成功!!!やったああああ!!!
ぱゃんじゃんじゃんじゃいぃぃぃぃ!!なくらい嬉しかった。いそいそと彼の車に乗せて
もらう。
彼は山田さん。地元人。実は同い年だった。就職活動中でちょっと旅行しているのだとい
う。

山田さん

しかし、一撃でクリアーな状態。この2日で1番スムーズに乗り物に乗れたと思う。しか
も彼は苫小牧へ行くというから帯広まで乗っけてくれるという。
マジで、マジで、本当にありがとうございます!!嬉し泣きしそうで、やっぱり涙は出な
かった。タバコ吸っていて許せる人なんてこの先きっと出ないと思う。道中は3時間ほど。
彼はその前半、北海道の心霊スポットと霊体験を話してくれた。友人、知り合いが既に7
人いなくなっているという。某炭鉱で1人いなくなり、さらに彼自身何ものかに足を引っ
張られたという。栗沢という廃村を車で走っていて、通常の半分以下の時間で岩見沢に着
いたり、逆に2、3時間も同じ山道を走っていたり、地図上では絶対あり得ない方向の道
に出たり。普段、この手の話は鼻で笑っていたが、実際真横で体験談を話されるとうすら
寒い思いにとらわれる。
途中でいっしょにメシを食う。小笠原のヤドカリ注意を見せたら、鹿と熊と牛と亀がある
と教えてくれた。見る気はないけど。鹿は見たが。
その後もブイーンと。襟裳から帯広までは130km超。これをカットしてくれた山田さ
ん、本当にありがとうございました。楽しかったです。「じょっぴんかる」の意味を知っ
ていてびっくりされた。
3時15分帯広駅到着。すげえ、まだバス発車してないよ。
山田さんに散々お礼を言って、これから電車で利別へ。でも出るのは30分後なんだね。
帯広は今まで見てきたところと違って無茶苦茶都会である。すげえ大都市だ!と思い、速
やかに散歩する気をなくした。
まあ特に考えることもなく無事利別。そしてYHに到着。4時半。素晴らしい・・・。
さて、気になるのは会員証を忘れたことだ。しかし家に帰って番号言ってくれればいいと
いう。やった。次の釧路では保証できないが。まあ、その辺はもう覚悟しているし。
とっとと風呂に入り、洗濯をしてしまう。しばらくこれから先のことを考える。サロマ
からバスで稚内は諦めよう。うん。
6時過ぎに夕飯。久しぶりにご飯って感じだ。さっき食ったけど。
いろいろ役立つ情報を教えてもらった。明日も早起きだな。
とらえず、襟裳岬にはもう二度と行かねえ。

(15170円使用、残金93750円)


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