月☆流星忌~~雪夏塚 第4話(その2)


今日は月☆流星忌(月命日)です。全国的に寒波の影響で、極寒なのに、関東地方だけ暖かいのは、真史のおかげ。お墓参りに早く来いとばかりに、天気良く、穏やか。
リクエスト通りに午前中にお墓参りに行き、少し汗ばむくらいでした。でも帰宅後の午後から西風が強くなり、近くの大通りの銀杏並木は、落ち葉ふぶきでした。これはこれで綺麗だったので、ずっと落ち葉を見上げながら散歩をしました。
 大変だったのが、市委託の清掃業者です。掃けども掃けども綺麗にならない状態で、箒を持つ手に力が入らないようでした。

 そういえばご近所さんの佐藤さんのおばあさんがいなくなって半年、学校前の通りも落ち葉が散乱していました。佐藤さんのおばあさんは、朝早くに家の前を中心に通り全体を掃除して、いつも綺麗にしてくださっていました。そしてわんこの散歩姿を見て、「かわいい~ねえ!!」と言ってくれるのでした。
 大通りの銀杏の乱舞を見ていてそんなことを思い出しました。

落ち葉掃く 老婆逝きたり 朝の道 (歩々)

ところで今回は、槙人が主役の話です。いつもクールな槙人が普通の高校生だと言うことをうかがわせる話です。会話体が多いので、途中までになりますが、たわいない会話が続きます。

振り向くまでもない。市川だ。立ち直ったらしい。
市川はズカズカと槙人の傍に歩み寄って来た。
「貴っ様ぁ!そんな楽しそうなイベントに何故俺を誘わん!?」
「何が」
「バカモン!夏といえば海!海といえばこの俺、市川!これは世界の常識だろうが!」
「お前の脳内常識なんか知るか」
「知っておけ!」
「そんな無茶ナ・・・」
 困った顔でエレアが笑う。槙人は溜め息をついた。

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