最近、年取ったなあと思う。玄関扉に足をぶつけて、親指の爪を剥がし、それが徐々に黒くなって死んでいっている。そして、頚椎の老化だろうか、左腕が痺れて痛む。特に、こうしてキーボードを叩いているとてきめんだ。薬をもらって飲んでいたが、梅雨が本格的になったときには、薬の効きが悪いので、朝晩と増やしてもらった。
偏頭痛もほぼ毎日だ。
どーんよりと、神経系統が重苦しい「病」だ。
苦しいこじつけだが、雪夏塚の第五話「病」に繋がった。月☆流星忌(月命日)のお墓参りも、いつもなら真史がお天気にしてくれるのに、雨が上がったのは、霊園にいたときだけ。神通力も訊かないくらい今年の梅雨はひどい。身体の弱い私にはこたえる。
第五話も綾華が高熱を出して倒れた、体温が四十三度だという。
診たことのない温度にしばし思考が止まっていた。しかし、すぐに立ち直る。
ここは救急車を呼ぶべきだった。槙人は急いで階下に降り電話で救急車を要請した。そのついでに、濡れたタオルを持って綾華の部屋に戻る。
それを額において待っていると、やがてサイレンの音が聞こえてきた。春日署は屶瀬島から見て線路を越えない位置にあるから、あっという間に到着するのだ。
病院には槙人も同伴した。
綾華は入院だろう。原因は、症状は、治るのか。次回をお楽しみにということだが、次回は祥月命日。もう8年だ。泣けてくるな。