小  説

42-結成! 「新」紅髪不幸同盟! 後編

 ガリガリと耳障りな音が響く。美鈴と映姫の弾幕が互いに弾け合って閃光を飛ばしてい
た。妖弾を囮にばらまいて、気を練り風に乗せて美鈴は針弾を飛ばす。だが先ほどからの
気配どおり、映姫の幻視力は半端ではない。目以外に気を使ってより確実に避ける美鈴と
は違い、映姫は全てを目で見てから回避している。それなのに、被弾率は極めて低かった。
弾幕の隙間を完璧に見切り、踊るようにその間を縫ってゆく。風の中を舞うように、映姫
は鮮やかに弾幕を展開していた。

「くっ……!」

 予想通りの弾幕能力と、予想以上の粘り強さに美鈴は舌打ちする。自分の周りに展開さ
れるグレーの気も厄介だった。気で撃ち出される瞬間を予測できるからいいが、弾密度が
高まってくると避けづらくなる。しかも連発してくるので、安易にスペルカードで対応す
るわけにもいかなかった。
(けど……いくしかない!)
 だがかといって黙っていてはジリ貧だった。美鈴は腹をくくる。弾密度の低いところに
移動し、美鈴は懐からスペルカードを出した。

「華符『セラギネラ9』!!」

 パァン、と符が弾ける。光と共に、赤い尖った妖弾が波のように広がっていった。それ
と同時に、黄色の妖弾が華開く。花の咲き乱れる今の幻想郷に、もう1つの弾幕の花が咲
く。赤と黄色の光が、ゆっくりと映姫に近づいていく。

「審判……『ラストジャッジメント』」
「げっ!」

 だが、映姫はそれを待っていたかのごとく冷静にスペルカードを返してきた。あっとい
う間に美鈴の弾幕がかき消されてゆく。しかも美鈴のスペルカードの効果が打ち消されて
しまった。

「ス、スペルリバーサルアタックなんて卑怯よ!」

 スペルカードの中には、相手の弾幕と持続時間を打ち消して攻撃してくる特殊なものが
ある。通常使われているスペルカードにはその効果がないため、美鈴のスペルはあっさり
と破られてしまった。
 この特殊スペルは相手の攻撃を無効化できるという特性を持っているが、あまり一般的
ではない。攻撃力が非常に低いからだ。1回あたりの弾密度に限界があるため、それほど
派手にならない。魔力をチャージできれば連発が可能という長所もあるが、威力は高くな
いのだ。
 赤と青の光線を翼のように広げ、その中心から映姫が2色の交じり合った光線を放って
きた。周囲の妖弾に気を配りつつ、美鈴はそれを紙一重でかわす。予想外に光線が太く、
危うく被弾しそうになった。気で空を蹴り、勢いをつけて映姫へと迫る。スペルリバース
を使ってくる相手なら、弾幕よりも直接攻撃に訴えた方が早いような気がした。映姫の「
弾幕裁判」が弾密度を上げるが、ギリギリでかすりつつ避けていく。
 音を立てて2発目の光線が展開される。美鈴はさらに飛び上がり、映姫の後ろを取った。
 
「もらった!! 螺光歩!!」

 瞬時に拳に気を溜め、美鈴は映姫に放つ。輝くオーラが、映姫を確実に捕らえた。

 少なくとも、美鈴にはそう見えた。






 映姫は拳に貫かれ、そして爆音と共に霧散した。






「な……幻影!?」
「隊長後ろー!!」
「美鈴上だー!!」

 呆然とする美鈴に、小悪魔と小町の叫びが響く。
 リバース可のスペルは使用者の幻影を生み出して攻撃する。あまりに唐突に、そして久
しぶりに使われたため、美鈴はそのことを失念してしまっていた。
 気づいたときには、強烈な妖気が自分のすぐ背後に降り立っていた。
 
「しまっ……!」

 どんな攻撃だろうとこのタイミングでは避けられないと、美鈴は両腕でガードしつつ後
ろを向いた。
 ガードの間から見えたのは、何かを大きく振りかぶっている映姫の姿だった。









「サイバニックソトバスマアアアアァァァァァッシュ!!」










 どごぉん、とおよそ木製の板らしからぬ音が戦場に轟いた。直後、映姫渾身のスマッシ
ュヒットを食らって美鈴が湖に突っ込んでいく。派手な水しぶきが水面から跳ね上がった。

「あれだけやっといてなんで直接攻撃に出るんですか!?」
「い、いや。ただ単に打ち込みたかっただけだと思うけど……四季様は言うと本当にやる
から……」

 ネーミングは酷いが、威力は本物のようだ。ぱっと見、スペルカードよりも強そうに思
えた。美鈴のような肉体派には見えないのに、その一撃は美鈴をガードごと吹き飛ばす。
侮りがたし、ヤマザナドゥ。

 こきこきと首を鳴らすと、映姫は何事もなかったかのように小悪魔と小町の前に降り立
った。美鈴は水底に沈んだまま帰ってこない。

「……あなたも、抵抗するつもりですか?」
「……いえ」

 ああなるぞ、というような視線を小悪魔に向け、映姫は口を開いた。
 
「隊長が叶わない相手じゃ、私なんかはどうやっても勝てませんから」
「そうですか」

 実際、弾幕能力からいっても勝機はなかった。小悪魔は素直に交戦の意思がないことを
示す。映姫は特に何も言わず、ただ一言そう返しただけだった。

「さ、小町行くわよ」
「あ、はい……。え、ええと……ごめんな」

 小悪魔の横を通り過ぎ、映姫は小町の前に立つ。先ほどの戦いを見て言い訳する気も失
ったのか、小町も素直に映姫の言葉に従った。少し迷ったようだが、済まさそうな表情で
小悪魔に謝ると小町は映姫の後についていく。

「ですが……」

 しかしいくら実力で敵わないと分かっても、小悪魔は引き下がるつもりはなかった。い
ずれにしろ小町は帰るのだが、映姫の主張を通したまま帰られるのは納得がいかない。小
悪魔は映姫の背中に言葉をかける。

「あなたが言ったことは、私には正しいとは思えない」

 小悪魔の言葉に、映姫は立ち止まるとゆっくり振り返った。その目は怒りに満ちている
のかどうかは分からないが、決して穏やかなものではなかった。だが小悪魔は目を逸らさ
ない。

「妖怪としての誇りを持たないことは、そんなにも悪なんですか?」

 美鈴にプライドがないこと、それがひいては地獄に落とすことになると映姫は言った。
しかし、それは美鈴が紅魔館の面々と楽しく暮らすうちで身についたものだ。たとえ意図
的ではなかったにせよ美鈴の性格はそうなり、また今そうあることを望んでいる。
 ナイフは痛いけれど、それ以上に笑顔がある。それを、なぜ悪く言われなければならな
いのだろうか。

「……なるほど」

 しばらく小悪魔を見つめた後、映姫はため息をついて小悪魔と向かい合った。そして、
最初にそう呟く。

「普通妖怪にそんな考えはできないものなのに……。でも、あなただからできるのね」

 思わせぶりに、映姫は微笑む。真面目に話そうとしている小悪魔をあざ笑うかのように。
 
「そう、あなたは自己が曖昧すぎる」

 受け答えになっていない、とは思えなかった。閻魔の名は伊達ではない。ただ1度見た
だけで、相手の本質を見抜くことができるのだ。映姫の言葉は、美鈴と同じように確実に
小悪魔を捕らえていた。黙れと言おうとして、口がそのときだけ動かなかった。

「常に周囲に合わせようとするその性格に加え、あなたは種族としても実に曖昧ね。本当
に魔族かしら? それどころか、生命としても……」
「黙ってください」

 喋り始めた映姫を小悪魔は遮った。知らないうちに表情が険しくなっていたことに気づ
く。だがそれを緩めることなく、小悪魔は思い切り映姫を睨みつけた。

「私が言いたいのは美鈴隊長に言った言葉を取り消して欲しいということです。私のこと
なんかどうでもいい」
「……」

 狼狽する小町を置いて、映姫は小悪魔の方に1歩踏み出した。その目の色は先ほどと変
わらない。しかし、身にまとう雰囲気が違っていた。
 幻想郷の裁判官は映姫1人。その権限ある言葉に反駁したことについて怒っているわけ
ではないのは分かる。その役職上、私情を挟むことは許されないからだ。だから映姫が怒
りを露にするのは、正しき行いをしようとしない者を前にしたときである。

「誇りを持たない者には芯がありません。芯のない者は強く生きられない。弱くあること
は、他人とのつながりもおろそかにしてしまいがちなのです」

 映姫の言葉に、小悪魔は真っ向から対峙する。ヤマザナドゥは、実力はともかく肩書き
としては幻想郷の最高峰だ。そんな相手に小悪魔のような弱小妖怪が喧嘩を売るなど、無
謀極まりない。

「それはあなたが見て、でしょう? 美鈴隊長は私たちみたいに、人をたくさんひきつけ
られる方です」

 だが売った。小悪魔もまた迷うことなく売り払った。弾幕ではなく言葉だけれど。その
選択は、相手が閻魔であることを考えるとより一層不利としか思えないのだが。
 それでも、小悪魔は美鈴が間違っているとは思えない。
 彼女は、誇り高き紅魔館の門番なのだから。
 
「確かに、そう見受けられますね。ですが、それゆえに彼女は個が弱くなっている。全と
個のバランスを保てなくては、何らかの形で崩壊を起こすことになりますよ」
「そうでしょうね。でも隊長は常に自然体で人と接しています。個は決して弱くない」
「内面を見ることのできないあなたはそう感じるのでしょう。しかし、彼女は本当に弱く
なりかけているのです。いつか、絶望を感じたときに立ち直れなくなるくらいに……」
「……幸せが。今あるこの幸せが心に根付いているとしても?」
「無論です。むしろ、その幸せがあるがゆえに崩壊を起こすことはまれではない」
「…………」

 小悪魔はうつむいてしまった。悔しいことに、反論できなくなってしまったのだ。言え
ば言うほど、映姫が正しいことが分かってしまう。言えば言うほど、自分が惨めになるの
が分かってしまった。

「幸せでありたいと思うのは誰でもそうです。ですから、彼女に言っておいてください」

 語気を緩めることなく、映姫はうつむいた小悪魔に伝える。
 
「自分をしっかり持つこと。それがあなたの積める善行だと……」
「……はい」

 うなずくしかできなかった。小悪魔はスカートをぎゅっと握り締める。ふがいなくて、
視界が滲んできた。美鈴を庇おうとして逆に諭されてしまうなんて、本当に情けなかった。

「さて、それではあなたはどうなのですか?」

 小悪魔が地面に落ちる涙をこらえていると、不意に映姫が小悪魔に話しかけてきた。認
めたくなくても美鈴のことについては決着がついてしまったので、自分に話がいくとは思
っていなかった。小悪魔は反射的に顔を上げる。

「言ったでしょう。あなたは自己が曖昧すぎると」

 先ほどよりは幾分表情を緩め、映姫は小悪魔を見ていた。沈みかけた夕日を背に受け、
形容できない雰囲気をたたえていた。

「それについて、何か言いたいことはあるかしら?」
「言ったら、即座に諭す気ですね」

 だがそれに気づいていないのか、映姫の言葉はその雰囲気を台無しにしてしまった。言
葉よりも、その裏にある気持ちに気づいてしまったからなのだが。小悪魔はため息をつい
た。

「ありませんよ。私が何であるかなんて分かってるつもりですから。自分が曖昧と言われ
ても、こればかりは根本的にどうしようもないんです。ほっといてください」

 最後は拗ねるようにして、小悪魔は肩をすくめた。
 
「それよりも、幸せを求めて今の自分でいること……認められませんか?」
「認められませんね」

 勝負にさえならなかったものの、美鈴の考えは捨てたくない。それに共感を持っている
からこそ小悪魔はこだわるが、映姫はそれをあっさりと流してしまった。

「今の幸せがあれば地獄の苦しみも耐えられる? それは地獄をなめているわ。地獄とは
……回想もできないほどに苦しい場所だというのに」

 吐き捨てるように映姫は言う。
 
「だから、それを逃れるためには生前の善い行いが必要になるのです。彼女は……あなた
もそうですが、それを蔑ろにしているのですよ」

 言葉に重みがある。死と常に向かい合う生者だからこそそれが分かっているのだ。地獄
に誰よりも嫌悪感を感じているのは、この閻魔なのだ。

「なるほど……。それで隊長には自分をしっかり持つことが善行だと。……ちなみに私は
何ですか?」
「あなたは、嘘をつかないことね」
「……また、無理難題を」

 小悪魔は苦笑した。嘘なんてずっとつき続けている。ならばきっと、自分は地獄に落ち
るのだろう。幸せを思い返すこともできない地獄というのは、おそらく1、2を争うほど
行きたくないところだと思った。

「それでもあなたは、それをする気はないの?」
「ええ、ありません」

 分かっているが、小悪魔はしれっと答えを返した。今を変える気は、小悪魔の頭にはな
かった。

「確かに、死後のことを蔑ろにするわけにはいきませんね。人生というものが死後を含む
のなら、最後までよき生活でありたいですから」
「では、なぜそれをしないのです?」
「私たちは、生きてますから」

 話しながら、やはり言葉で閻魔に勝とうなどというのはおこがましいことだと小悪魔は
思った。だがそれでも、これだけは言っておきたかった。たとえ認められなくても、自分
の考えを吐き出しておきたかった。
 地獄に落ちても後悔のないように、笑って。
 
「生きて、生きて、この世から別れるときは、泣きたくなるくらいにたくさんの思い出を
作っておく。それが、自分が生きたことの証になる」

 目を閉じ、自分の居場所を思い返す。
 埃っぽくて暗い、けれどどこよりも知識の詰まった仕事場。
 シビアな環境ながらも、笑顔の絶えないメイドたち。
 無愛想で偉大な魔女。
 高貴でわがままな吸血姫の姉妹。
 完全で瀟洒な従者。
 友人であり、頼れる姉のような存在でもある門番。
 この館で生きることは、数え切れないほどの思い出を作ること。
 
「死後の世界ですることは、地獄でも天国でも決まっているんでしょう? だから生者が
自分で得られる幸せは、生前の世界にしかない。生きた証は、生きているときにしかつか
めない」

 自分でできることは、今しかできない。死後の人生が強制ならば、今しか自由を持つこ
とはできない。
 死後を蔑ろにするわけにはいかない。
 でも――。


「幸せでいては、いけませんか?」


 死後を恐れ、自由を手放すことは善行なのか。生前も死後も強制である「人生」に、幸
せなんてあるのだろうか。
 幸せでいてはいけませんか。
 
「…………ふふ」

 黙って小悪魔の言葉を聞いていた映姫だったが、小悪魔が話し終えると頬を緩めて笑っ
た。

「あなたが言っていることは彼女と同じ。それは、決して死後がよいものになるわけでは
ないわ」
「だからといって、生前を蔑ろにしたくはないです」

 閻魔が死後を重んじるように、生者は生前を重んじる。生と死がつながった1つの人生
の中で、自分で幸せを作れるのならば。
 ならば、今幸せでいい。死後の世界の選択は自分ではできないから、生前を大切にした
い。
 幸せでいては、いけませんか。
 
「……帰るわよ、小町」
「え? あ、はい」

 映姫は小悪魔に背を向け、小町の肩を叩いて促した。小町はちらちらと小悪魔の方を振
り返っていたが、素直に映姫の後についていく。

「覚悟しておきなさい。あなたは、地獄行き」
「……でしょうね」
「それから、彼女もね」
「伝えておきます」

 互いにその顔を見ることなく、小悪魔と映姫は別れることとなった。小町はなんだかん
だと明るく振舞って挨拶をしていったが、映姫はこれっきりとばかりに黙って空の彼方へ
と消えていった。

「……死んだときは、どうぞよろしくお願いします」

 無縁塚へと飛んでいった2人を見つめ、小悪魔はなんとなくその方向に頭を下げた。
 いつか死ぬのなら、幸せな記憶でいっぱいであることを願って。





「……。そ、そういえば隊長は!?」

 黄昏へと移行し始めている空を見つめていた小悪魔だったが、不意に美鈴が湖に落ちて
から姿を見せていないことを思い出した。まさかあのまま浮上していないのだろうか。水
の抵抗も無視して湖底に体がはまっているのだろうか。
 慌てて小悪魔は美鈴を探しにいこうとする。
 
「あれ?」

 しかし、その美鈴は門のそばにある木の陰に隠れていた。
 
「た、隊長? 何してるんです?」

 流石にずぶ濡れなのは逃れようがなかったらしく、空気が冷えかけているのに美鈴は服
をほとんど脱ぎ捨ててしまっていた。早めに上がっていたのなら着替えてくればよかった
のに、と小悪魔は思った。

「い、いやその……話に入りにくくって……」

 あはは、と美鈴は苦笑する。ということは、小悪魔の言葉も全部聞いていたことになる。
 
「あ、あはははは……」

 恥ずかしくて、顔から火が出そうだった。
 
「と、ともかく隊長、そのままじゃ風邪引きますから、着替えてきた方が……」
「う、うんそうね」

 気まずい笑顔でやりとりしながら、小悪魔と美鈴は一旦警備隊の詰め所に行こうとした。

 しかし、入ることはできなかった。
 
「あ……」
「えっとぉ……」

 気まずい笑顔のまま2人は凍る。詰め所の前には、メイド長が仁王立ちしていたのだ。
 
「外にいたのね。仕事に戻ってこないってパチュリー様が怒ってらしたわよ。後で覚悟し
ておけって」
「ひいぃ!」
「それから美鈴。あなたの部下に聞いたけれど、負けたんですって?」
「え、で、でも侵入はされてませんよ!?」
「侵入者じゃないでしょう? どっちにしても、負けたことが問題なの」

 ふらふらだというのに。神経をすり減らしたというのに。
 咲夜の言葉は、映姫の説教以上に2人に効いた。
 
「あなたは図書館に戻って火なり水なり食らってくることね。そして美鈴、あなたは今私
のナイフを……」
「ちょ、ちょっとちょっと待ってー!!」
「まずはその目障りな饅頭を潰すこと! それがあなたの積める善行よ!!」
「いやぁー助けてぇー! 神様仏様閻魔様ぁー!!」
 今は幸せだけれど。
 でもほんのちょっと、手加減だけはして欲しいかなと2人は思った。















 一方その頃、無縁塚。
 
「さあ小町、さぼっていたのは事実だから、きっちりとお仕置きを受けてもらうわよ」
「さ、裁判苦卒塔婆強打撃ですか?」
「それはさっき打ったからいいわ。今回はシンプルに卒塔婆尻殴打撃(ソトバケツバット)
を100回で」
「地獄ですよ! 四季様のは手首のスナップが効いててめちゃ痛いんですから!」
「その生意気な桃をひっぱたかれることがあなたの積める……」
「誰か助けてぇー!!」

 こちらも同じ状況になってた模様。
 彼女らの共通点は2つ。

 1つは髪が紅いこと。
 そしてもう1つは、3人とも不幸なことだった。

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