小  説

01-東方野球譚 第1話

注意:キャラの表示は次のようになっています

 博麗霊夢:霊  霧雨魔理沙:魔  十六夜咲夜:咲  ルーミア:ル  チルノ:チ
 
 紅美鈴:紅   パチュリー・ノーレッジ:パ  レミリア・スカーレット:レ

 フランドール・スカーレット:フ 橙:橙  八雲藍:藍  八雲紫:紫

 アリス・マーガトロイド:ア  ルナサ・プリズムリバー:プ

 メルラン・プリズムリバー:メ  リリカ・プリズムリバー:リ  魂魄妖夢:妖
 
 西行寺幽々子:幽 レティ・ホワイトロック:ロ  リリーホワイト:ホ
























ロ「さあ、ついに始まりました東方野球!紅魔郷のキャラと妖々夢のキャラによる野球対
決!実況は私、冬の忘れ物、レティ・ホワイトロックと」

ホ「解説、春を運ぶ妖精リリーホワイトでお送りいたします」

ロ「私たちも出たかったね……」

ホ「うん……」

ロ「……さ、さあいってみましょう!まずは先攻紅魔郷チームのスターティングオーダー
です!」

ホ「といっても控えいませんが」

ロ「9人ギリギリですからね、名前出たの」

  1番ショート    チルノ

  2番キャッチャー  博麗霊夢

  3番ピッチャー    十六夜咲夜

  4番センター    フランドール・スカーレット

  5番サード     霧雨魔理沙

  6番ファースト    レミリア・スカーレット

  7番セカンド    ルーミア

  8番ライト     パチュリー・ノーレッジ

  9番レフト……えっと……あ、紅美鈴です」

ホ「今、詰まった……」

ロ「さあ!続きまして後攻、妖々夢チームです。

  1番セカンド    橙

  2番サード     八雲紫

  3番ショート    魂魄妖夢

  4番ファースト    西行寺幽々子

  5番ピッチャー    八雲藍

  6番キャッチャー  アリス・マーガトロイド

  7番ライト     リリカ・プリズムリバー

  8番センター    メルラン・プリズムリバー

  9番レフト     ルナサ・プリズムリバー

  以上です」

ホ「ところで紅魔郷チーム、パチュリー選手出していいんでしょうか?」

ロ「他にいないから仕方ないですよ。さあ、試合開始です。先攻は紅魔郷!守ります妖々
夢のピッチャーは、すきま妖怪の式、八雲藍です!1回の表、紅魔郷チームの攻撃、バッ
ターはチルノ!」

チ「あたしが1番なんてイキなはからいじゃない。いくわよ!先頭打者初球ホームラン!!」


  ズバーン!


ロ「いつの間にやら三球三振!チルノ選手、過程さえも省略されました!ワンアウト!」

チ「ちょっと!何よそれ!」

霊「はいはいどいて。次私だから」

ロ「さあワンアウトランナーなしでバッターは2番、主人公博麗霊夢!打率は2割8分6
厘未満というのが通説です」

ホ「レティさん、意味わかんないですよ、それ……」

ア「霊夢、霊夢」

霊「ん?何?」

ア「初球は低めの真っ直ぐよ」

霊「何で教えてんの?」

ア「まあまあ気にしない。私と霊夢の仲じゃない」

霊「……ありがと」


  カキーン!


ロ「打ちましたーライト前!ヒットです!ワンアウトからランナーが出ました!」

ホ「アリスが何か言ってたような気がするんですが」

ロ「ささやき戦術ですかね。失敗したみたいだけど」

霊(ホントは成功だけどね……)

ロ「さあワンアウトランナー1塁で、バッターは3番十六夜咲夜!」

ホ「この人が3番てのも怖いですね」

ロ「まあ4番がアレですからね。さあピッチャー藍、セットポジションから第1球!」


  ――キィン


  カキン!


ロ「打ちましたセンター返し!何か動いた感じがしません咲夜選手!時を止めたのか!?」

ホ「止まったボール打つならホームラン狙えそうな気がしますが」

咲「そんなことしたらフランドール様に打点がなくなるじゃない」

ロ「なるほど!常に主人たちのことを考えています咲夜選手!メイドの鑑ですね。さーあ
紅魔郷チーム早くもチャンス!ワンアウト2塁1塁で、バッターは4番、悪魔の妹フラン
ドール・スカーレットです!!………………あ、あれ?」

レ「フランドールー?フランドール、どこー?」

魔「おーいフランー。お前の番だぞー」

ロ「フランドールいません!行方不明です!どこいったんでしょうか!?」

ホ「皆で探してますね。そして誰もいなくなるか?」

ロ「なんと!この大チャンスにもかかわらず、バッター不在ということでアウトです!フ
ランドールアウト!ツーアウトです!」

ホ「あらら……」

ロ「意外な形でツーアウト!しかし油断はできません。次のバッターはもう一人の主人公、
霧雨魔理沙!」

魔「よっし行くぜ」

霊「魔理沙ー。ちゃんと打ってよー」

魔「任せとけ。私はあんな寒い奴とは違うからな」

チ「寒い奴言うな!」

魔「行くぜ!マスタースパーク打法!」


  カキーン!


ロ「打ったー!恋符をつけておきながら普通に打ちましたがこれは大きいー!打球はグン
グン伸びてー……と、捕りまし た!センター捕りましたー!」

霊・咲「あ」

ロ「飛んでます!センターメルラン空飛んで打球をキャッチ!そう、幻想郷の住人は皆空
を飛べます!アストロ球団なんか目じゃありません!ホームランボールなんかただのフラ
イになってしまいます!」

魔「ちっ。その手があったか」

ロ「ホームランが運悪くもアウト!1回表、紅魔郷チーム得点ありません!」


                                1回表 終了




魔「当たりは完璧だったんだけどなー」

霊「まあ、仕方ないんじゃない?」

パ「ヒットで稼ぐしか方法はないわね」

魔「そうだな。ところでフランはどこいったんだ?」

咲「今うちの使用人が探してるわ」

魔「見つけたところで殺されそうだな……」












ロ「さあ1回表紅魔郷は無得点。これから1回裏妖々夢チームの攻撃です」

ホ「紅魔郷のピッチャーは咲夜ですか。これ以上の人選はないですね」

ロ「キャッチャーが霊夢というのは以外ですね」

ホ「うーん。でも結構把握してるんじゃないですか?キャラとか」

ロ「さて1回の裏、妖々夢のトップは式の式、セカンドの橙!」

咲「いくわよ、紅白」

霊「OK」


  スパーン!


ロ「三振!やはり小さい体にアウトコースギリギリから急激に曲がるスライダーは届かな
いか!ワンアウト!」
ホ「すっごい曲がりますね、咲夜の球」

ロ「操れますからね、投げたもの。さて!次なるバッターは2番八雲紫!いきなりファン
タズムのボス、すきま様です!」

橙「紫様ー!がんばってー!」

ロ「紫選手バッターボックスに入ります」

ホ「ところで……」

ロ「はい?」

ホ「あの人、バット持ってませんけど……」

ロ「……傘、構えてますね」


  カキーン!


ロ「うわあ打った!傘で打ちました紫選手!1、2塁間抜けていきます!ボーっとしてい
たレミリア、同じくお腹が空いているのかよだれたらしているルーミアの間を転がってい
きます!さすがすきま様!守備のすきまを見事につきましたー!」

橙「わーいわーい!ナイスです紫様ー!」

ロ「ライトがおさえてワンアウトランナー1塁。バッターは3番、魂魄妖夢!」

妖「……あなたのなけなしの春、全て頂くわ」

咲「……やれるものなら、どうぞ」

ロ「さあ最強の使用人対決!ただならぬ殺気が漂います!」

ホ「……野球なのに。それに春は関係ない気が……」

ロ「スイッチヒッター妖夢に対し、咲夜第1球……」


  ズバン!!


ロ「ス、ストライク!168キロ!いきなり人間界世界記録です!!」

ホ「この人、人間のはずじゃ……」

ロ「第2球!」

妖「……ふっ!」


  キィン!


ロ「打ったー!170キロなんのその!咲夜の豪速球、妖夢打ち返したライト線!フェア!
 フェアです!これは長打コースになります!さあライト!ライト……あ」

パ「……ごほっ!げふんっ!」

ロ「ライト倒れてます!パチュリー選手盛大に吐血しております!やはり知識と日陰の少
女にスポーツはムリだったかー!?」

咲「パチュリー様ー!!」

霊「さっき打球捕ったのがまずかったのかしら……」

ロ「打球はフェンス際を転がっています!ライトが動けない以上センターが捕るべきです。
が、そのセンターもいません!フランドールは一体どこにいってしまったのか!?ファ
ーストもセカンドも動かないのでレフトが捕りに行きます!レフト……えーと……まあいいや!
しかしランナー紫は既にホームイン!我々が見ていない隙をついています!つくす
きまは物理的なものだけではない!そして打った妖夢も全力疾走!今レフトが追いつきま
した!しかしランナーはもう3塁を回っている!バックホームは間に合わない!ホームイ
ン!ランニングホームラン!魂魄妖夢ランニングホームランです!妖々夢チーム2点先制!!」

ホ「長い実況お疲れ様です」

魔「何やってんだ中国ー!」

紅「何で私が怒られるの!?」

ロ「大穴の開いていた外野によって咲夜投手予期せぬ失点!しかもまだ攻撃は終わってい
ません!続いては4番、西行寺 幽々子!」

咲「紅白……」

霊「紅白言わないでよ。何?」

咲「……ちょっと、スピード上げるわ」

霊(うわあ、咲夜が怒ってる)

ロ「さあランナーいなくなって十六夜咲夜、第いっ……」


  ドオン!!


ロ「……はっ!ス、ストライクです!な、なんと229キロ!!速い!速すぎます!思わず呆然と
してしまいました……」
咲「……秘技、操りドール」

  ズドン!!

ロ「280キロー!!速い速い速い!操りドールで超速球!十六夜咲夜本気出してますー!!」

ホ「霊夢、よく捕れてますね。あ、ミットにおフダ貼ってるのか」

ロ「さぁ次は何キロか!?第3球……」


  ヒュッ


ロ「カ、カーブだー!スピード100キロ!球速差は180キロ!!打てるか幽々子!?」


  キンッ


ロ「って打ったー!さっきの2球見てなかったのか!?それとも速すぎて見えなかったの
か!?しかし打球はサードゴロ。サード魔理沙が捕ってファーストへ。ツーアウトです!」

魔「よーし、オッケーだぜ咲夜ー」

咲「当然でしょ」

ロ「さてバッターは、5番八雲藍です」


  バァン!!


ロ「いったー!!300キロ!300キロです!某国JR特急に追いつきました!」

藍「ふふ……」

咲「何?」

藍「いや、大したことないなと思っただけだ」

咲「……そう」


  ズバン!!


ロ「まだまだいくよー!420キロ!スプリガン超えました咲夜投手!一体どこまで上が
るのかー!?」

ホ「あれ、デッドボールになったら大変でしょうねー」

ロ「骨の100本や200本は逝くかもしれませんね」

ホ「いや、ほぼ全部じゃないですか、200って……」


  キン!


ロ「おっと3球目はファール!450キロをファールです藍選手!」

ホ「すご。手、絶対しびれるでしょうに」


  カキィン!


  キィン!


  カィン!


ロ「ファールファール!5球連続ファール!粘ります藍選手!」

橙「藍様ー!がんばってー!」

藍「さあ、どうかな?」

咲「……」

ロ「カウントはいまだツーナッシング!しかし次は7球目!咲夜投手、振りかぶって……」

咲「……奇術、エターナルミーク!」

霊「げ」


  ――――――――!!!!


  ァァァァ……ン


ロ「…………」

ホ「…………」

ロ「……お、音が……遅れて……」

ホ「いっこく堂やってないで……球速は?」

ロ「あ、はい……えー…………」

ホ「?どうしたの?」

ロ「せ……1860キロ……」

ホ「……それって」

ロ「音より速いです……」

藍「……な、んだと」

咲「その程度で、何いきがってんのよ?まだまだだわ」

ロ「マッハ1.5!!もはや単位が違います!これが十六夜咲夜の真の力かー!!」

ホ「すっごー」

ロ「こればかりは振ることもできませんでした藍選手!見逃し三振スリーアウト!しかし!
1回裏魂魄妖夢のランニングホームランで妖々夢チーム2点先制です!!」



                                        1回裏 終了



幽「よくやったわ妖夢」

妖「ありがとうございます、幽々子様」

藍「くそ、なんて球投げるんだあの女は」

橙「藍様、あの人きっと人間じゃないんですよ」

藍「いや、私たちのほうこそ人間じゃないんだが」

紫「とにかく点を取ったんだから、しっかり守ってかないとね」

藍「ええ、そうですね」

橙「藍様!私がんばりますね!」

藍「ああ、頼むぞ橙」

妖「行きましょうか」

藍「ああ」




  ゴスッ!


咲「いたっ!何するのよ!」

霊「こっちのセリフよバカメイド!死ぬかと思ったじゃないの!」

咲「良いじゃないの生きてんだから」

霊「あ、あんたは……!」

咲「さあお嬢様、お嬢様の番ですよ」

霊「スルーすんな!」





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