小  説

02-東方野球譚 第2話

ロ「2回の表、紅魔郷チームは2点のビハインド。バッターは6番、レミリア・スカーレ
ットからです」
紅「お嬢様!がんばってください!」
咲「あら、いい心掛けね」
紅「ええ、それはもちろん!」
魔「コビ売ってんだろ」
紅(ギクッ!)
  パァン!
チ「って終わっちゃったじゃない!」
レ「今日は月が紅くないからダメだわ」
ル「そーなのかー」
ロ「レミリア三振ワンアウト!続いてはセカンドルーミアです」
ル「お腹すいたー」
咲「勝利に貢献したらうちで食べさせてあげるわよ」
ル「ほんと!?」
  パキャ!
ロ「ルーミア打った!セカンドの頭の上を越えていく!橙ちっちゃくて手が届かなーい!
ヒット!ヒットです!ワンアウトランナー1塁!」
ホ「煩悩は最高のブースターって本当ですね」
ル「ごはん♪ごっはん♪」
橙「ふえぇ〜ん。ごめんなさい藍様ぁ〜」
藍「大丈夫だ。すぐに抑える」
ロ「続いてはライトパチュリー選手ですが……」
ホ「脚ガクガクですね。立ってるのもやっとって感じですよ」
ロ「さっきの吐血が効いてますね。これはもう期待しないほうがいいでしょう」
  スパーン
ロ「案の定三振です。それでは気を取り直していきましょう!打順はトップに戻って1
番……」
紅「待ってー!!」
ロ「え?」
紅「私!私が残ってるってばー!」
ロ「……ああ!失礼しました。パチュリー選手8番だったんですね。えーと9番は……
く、くれない、みすず?」
紅「ホンメイリン!華人小娘紅美鈴よ!つーか最初読んでたじゃない!」
魔「メンドくさいから中国で良いぜ」
ロ「それはいいですね。ではバッター中国」
紅「やめてー!」
咲「早く行きなさいよ」
紅「うう……私ってちょっと名前が覚えられにくいってだけなのに、どうしてこんな扱い
受けなきゃならないの?」
魔「いいから行けって。アウトになるぞ」
紅(……そうよね。今ここで目立っておかないと。活躍して知名度を上げよう!)
紅「よし!美鈴負けない!」
魔「誰だ?それ」
紅「……!!」
ロ「さあバッターボックスに中国が入ります。地味なだけに力は未知数です!油断はでき
ません!」
霊「……まあ確かに、初期設定とは少し変わってきたけど」
魔「ん?どうした?」
霊「それだけ作者に愛されてるって、分からないのかしらね」
魔「霊夢、楽屋ネタは禁止だぜ」
霊「はいはい」
  スパァ!
ロ「ツーストライクまで追い込みましたピッチャー藍!クイックモーションから第3球!」
紅(目立つんだ目立つんだ目立つんだー!!)
  キィン!
ロ「変化球すくい上げたー!右中間を割ります!ヒットヒットォ!1塁ランナーは3塁を
……いや、回ったところで
ストップ!ライトリリカがあらかじめセンターに寄っていた!反応が早くて帰れません!
ストライクで球が返ってきたー!
しかしツーアウト2、3塁!紅魔郷チームチャンスです!」
紅「やった!」
魔「おー!よくやったぞ中国ー」
紅「……名前で呼んで〜」
ロ「さぁチャンスで打順は今度こそトップに戻って1番チルノ!先ほどよりは粘りを見せ
られるかー!?」
チ「さっきはうまくいかなかったけど、今度こそ!汚名挽回よ!」
藍「汚名は返上するものだぞ」
ア「挽回するのは名誉ね」
チ「……う、うるさい!見てなさい!今にほえづらかかせてやるわ!」
  ビシッ!
チ「いくわよ!逆転スリーランホームラン!!」
ロ「おおっとチルノ選手、大胆にも予告ホームランだー!妖々夢で1面の中ボスに格下げ
されたくせに、エクストラに勝て
るのかー!?」
霊「……バカ」
パ「頭悪いわね、あの子」
ロ「しかし!しかしです!チルノ選手先ほどの魔理沙選手の打球を見ていなかったのかー!?
この東方野球では上に上がった
打球は全てフライになってしまうぞー!?」
チ「あ」
魔「……ルナティック級の阿呆だな、アイツは」
ロ「さあホームランさえ捕られてしまうこの状況で、チルノ選手どう打つか!」
ホ「何も考えてないんじゃないですか?」
チ(あ……あたしのバカー!)
ロ「バッターボックスで構えますチルノ!これに対し、ピッチャー藍、キャッチャーアリ
スのバッテリー、どう攻めるか!」
チ(……えぇーい!ヤケクソよ!)
ロ「さあ第1球!」
チ「いっけえええええええ!!!」
  キィン!
ロ「これはいったかー!!?」
チ「え?」
霊・魔「お?」
ロ「レフト線痛烈なライナー!」
チ「は、入れ!」
ロ「っとファールー!」
霊・魔「あ〜」
ホ「惜しかったですねー。打球が速かった分、外野は追いつけなかったんですが……」
チ「う、うう〜」
ロ「初球から積極的に振ってきますチルノ!第2球!」
チ「てぇぇぇい!!」
  キン!
ロ「これは前に飛びませんファール!しかしこれはひょっとするとひょっとするか!?」
藍「……残念ながら」
  ズバァン!
藍「そいつは、ムリだ」
ロ「時速230キロ!咲夜に対抗してかの豪速球!チルノあえなく三振!スリーアウトチェ
ンジ!ランナー2人残塁です!」
ホ「あー、残念ー」
チ「…………」
ロ「2回の表終了。紅魔郷チームチャンスを生かしきれず0点。2回裏、妖々夢チームは
6番、アリス・マーガトロイドからです!」

                       2回表 終了


チ「…………」
霊「ほらほら、泣かないの」
チ「な、泣いてなんかないわよ!……ぐすっ」
魔「そうだよな。自業自得だもんな。泣こうに泣けないよな」
チ「あんたはいちいちうるさいわよ!!」
ル「まあまあ。きっとなんとかなるよ」
パ「えらく楽観的ね」
レ「パチェ、大丈夫?」
パ「なんとかね」
霊「咲夜、こっちが点を取るまでは失点できないわよ」
咲「分かってるわ、そんなこと」
レ「がんばってね、咲夜」
咲「はい、お任せくださいお嬢様」
紅(……目立てなかったよう)

ロ「2回の裏妖々夢チームの攻撃です。しかしあの超音速球を投げる咲夜投手を、これ以
上打ち崩せるのでしょうか?」
ホ「あれの連投はないと思いますよ。スタミナ続かないでしょう」
ロ「あーそうですね。さてバッターは、6番キャッチャーアリス」
霊「アリス」
ア「何?霊夢」
霊「さっきのお礼してあげるわ。初球は内角の真っ直ぐよ」
ア「ふふ、ありがと」
  シッ!
ア「!」
  べちょ
ロ「内角の変化球アリス打ったがこれはボテボテ!従者が主人に送ってワンアウト!」
ホ「なんか不思議な音がしましたけど」
ア「……ウソツキ」
レ「?」
ロ「続いては騒霊三姉妹三女リリカ・プリズムリバー!さあ咲夜、振りかぶって……」
  ズパァ!
ロ「172キロ!相当抑えていますがそれでも速い!」
咲「さっさといくわよ」
ロ「リリカ三振!続いては次女メルラン」
  パァン!
ロ「ここも三振!やはりこの3人は3人いてこそか!?」
ホ「あらま」
ロ「この回わずか7球!2回裏はあっという間に終了!3回の表、紅魔郷チームの攻撃は
2番、霊夢から!2回終わって2対0。妖々夢チームのリードです」

                   
                   2回裏 終了


リ・メ「うう……いくらなんでも扱いがヒドイ」
プ「安心して。私が活躍するから」
リ「姉さんだけなんてズルい!」
メ「それに私たちには意味ないじゃない、それ」
プ「まあ、私の打席も見えた気はするけどね」


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